自然共生サイトの現時点

自然共生サイトの現時点(令和7年9月時点)の登録状況と分析される傾向は以下の通りです。

1. 登録状況の概要

  • 累計認定数: 自然共生サイトの認定数は、令和6年度までに認定された328か所に、令和7年9月の新たな認定分(196か所の「増進活動実施計画」および5か所の「連携増進活動実施計画」)を加え、合計448か所となりました。
  • 新法への移行: 2025年(令和7年)4月1日の「地域生物多様性増進法」施行に伴い、制度は従来の「場所」の認定から、生物多様性の維持・回復・創出を目的とした「活動計画」を認定する仕組みへと進化しています。

2. 活動内容の傾向分析

  • 「維持」タイプが圧倒的多数: 新たに認定された201の計画のうち、197件(約98%)が「維持」タイプであり、現在すでに豊かな自然がある場所を守る活動が主流です。
  • 「回復・創出」の開始: わずかではありますが、管理放棄地での「回復」(2か所)や開発跡地などでの「創出」(2か所)といった、ネイチャーポジティブに向けた攻めの活動も認定され始めています。
  • 多様な主体の参画: 企業、保育園、漁業協同組合、自治体など、非常に幅広い主体が申請を行っています。
  • 対象エリアの多様化: 企業の森や都市緑地、里地里山だけでなく、日本最大級の海域(漁場)が認定されるなど、陸域から海域まで多岐にわたる生態系が対象となっています。

3. 社会的・国際的な意義の傾向

  • 30by30目標への直接的貢献: 認定区域のうち、既存の保護地域と重複しない区域はOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)として国際データベースに登録されます。これにより、日本が掲げる「2030年までに陸と海の30%以上を保全する(30by30)」という国際公約の達成に向けた重要な柱となっています。
  • 企業経営との連動: TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の流れを受け、自社の活動を「支援証明書」などで可視化し、投資家へのアピールや企業価値向上に繋げようとする動きが強まっています。
  • 特例措置の活用: 認定を受けることで、自然公園法や森林法などの手続きが簡素化される「ワンストップ化」の特例を受けることが可能になり、実務上の負担軽減を図りながら保全活動を促進する傾向が見られます。